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ヨーロッパで開発|プリザーブドフラワーの歴史とは?
■歴史が浅いプリザーブドフラワー
今でこそ目にする機会が多く、簡単に入手できるプリザーブドフラワーですが、その歴史は意外と浅く、製法が確立されてからまだ30年しか経っていません。開発された背景には、花が咲かない寒冷地や砂漠でも楽しむため、あるいはプレゼントなど思い出の花を残す手段としてのニーズがありました。
それまで生花を保存するには、自然乾燥させて「ドライフラワー」にするのが一般的でした。水分が残っていると腐ってしまうからです。けれども、ドライフラワーはカサカサした質感になり、色もセピア調に褪せてしまいます。一方、日本の歴史では「押し花」が主流でしたが、仕上がりは平面的です。どちらも生花の面影はありません。
そこで、ベルギーのブリュッセル大学、ドイツのベルリン大学、フランスのヴェルモンド社が共同開発を行い、1987年にプリザーブドフラワーの製法が確立しました。その後1991年に商品化されると、瞬く間に世界中の花好きを虜にしたのです。
■プリザーブドフラワーが広げた花の使い道
プリザーブドフラワーは、ドライフラワーと同じく、保存するために生花の水分を抜きます。代わりにグリセリンなどの保存液を吸わせることで、花の瑞々しい質感を保てるようにしました。その方法自体はドライフラワーの歴史の中で以前から存在していましたが、同時に着色液を吸わせて好きな色を付けられるのが画期的でした。
これにより、鮮やかな青いバラなど、現実には存在しない色の花を作れるようになり、アレンジメントの幅も広がりました。フォトフレームや時計に飾るのも、プリザーブドフラワーでなければ実現しなかったでしょう。
日本でも、2000年以降、手頃な価格で購入できるようになりました。その背景には生産技術の向上によるコストダウンがあります。水やりが不要で、生花よりも軽く、花粉や匂いも無いため、今ではイベントやプレゼントに欠かせない存在です。
■ヨーロッパほど長持ちしない?
ヨーロッパのプリザーブドフラワーは、保存状態が良ければ10年ほど長持ちすると言われています。けれども、日本で同じくらい長持ちさせるのは難しいかもしれません。これは気候の違いが背景にあります。プリザーブドフラワーの弱点は「湿気」です。夏に高温多湿になる日本はプリザーブドフラワーの寿命を縮めてしまいます。
長く楽しむには、湿度の低い場所で飾るのが絶対条件です。直射日光やエアコンの風も避けます。クリアケースを被せるなど密閉する時は、シリカゲルのような乾燥材を一緒に入れると安心です。「長持ちだから丈夫」とは限らないので、生花と同じように丁寧に扱いましょう。
たとえアレンジメントが壊れてしまっても、残った花びらをそのまま楽しんだり、新しいアレンジメントやアクセサリーを作ったりするなど、様々な楽しみ方ができます。それもまた、プリザーブドフラワーならではの魅力です。